「世界のルールをみんなの手で」これが、オシンテックのビジョンです。
「世界の様々な問題にアクションする世界中の人たちの活動を支援したい」そんな思いで私はオシンテックを立ち上げました。メインプロダクトであるRuleWatcherが、環境や人権に関連する世界のルールの作られていくプロセスの情報を届け、そして、一次情報を基に、それぞれが判断し、意見を交わし、より良き世界をつくるプラットフォームを目指しているのはそのためです。
いま、日常的に私たちは人工知能を利用するようになりました。そのことによって、人工的につくられた知能と私たちの知能にはどのような違いがあるのか、そんなことを多くの人が考えるようになってきたように感じています。
オシンテックでは、その答えとして、(知能ではなく)知性に着目しています。感性、美意識、倫理観、とても抽象度の高い脳内の活動が生み出すもの、それはオシンテックが行ってきた「探究インテリジェンスセンター(TIC)」で大切にしてきた探究に通じています。
TICで探究をたくさんしている人を観察していて思うのは、そんな探究人の周りにはなぜか人が集まってきて、物事が動いていくということ。その人独自の感受性を開いて、五感をフル活用しているとき、そこには、大きな求心力が生まれ、このチカラが、世界を変えていくんじゃないかと思っています。
2024年11月22日、オシンテックは創業6周年を迎えました。それを機に、私たちは、ステークホルダーのみなさんと、「探究」を「探究」する「みんなで作ろう探究人宣言プロジェクト」を一年間の企画として打ち出しました。
2025年の11月22日までの1年間、すてきな探究人にインタビューを行ったり、みなさんの日常に潜む、ほっこりしたり、はっとさせられたり、思わす笑っちゃうような、いろいろな探究の体験を、画像や文章などで集め、楽しみながら人の知性への問いをオシンテックを愛してくださるみなさんと問うことができれば嬉しいです。
プロジェクトへのリンクはこちら
https://www.osintech.net/tankyu-jin
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株式会社オシンテック
代表取締役 小田 真人
オシンテックのサービスをよりよく知っていただくためのキーワード
●国境を越える課題
プラスチックが世界中の海洋を汚染し、巨大企業の時価総額が国家予算を越え、気候変動が深刻さを増す時代-。国境を越える問題が増えるにつれ、国境を越えるルールの影響力も大きくなってきました。 RuleWatcherは、現代の「国境を越える課題」に対し、世界ではどんな議論が起っているか、どんな社会規範ができつつあるかを掴めるように設計しています。
機械翻訳が発達したことによって、実現したのがRuleWatcherです。あらゆる言語によって発信された各国の政府などの情報を、すべて統一言語化することで整理しています。ヘブライ語、ベトナム語、アラビア語といった発信も容易に読むことができ、つくづく自分たちが「多言語情報を取り扱える人類初の世代」であることを実感します。
●オシント
公開情報を洞察していくことを、オシント(OSINT=Open Source Intelligence)といいます。近年とても注目されるインテリジェンス手法となってきましたが、概念自体は新しいものではありません。
オシンテックはオシントを、言語テクノロジーを用いて、どんな人にも容易にできるようにする、という意味で社名を付けました。堅い情報をやわらかく読んでもらいたい、という気持ちから作った「オシンちゃん」というキャラクターがRuleWatcherの中で管理者として活躍してくれています。
RuleWatcher管理者 オシンちゃん
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●非市場戦略
インテリジェンスはセキュリティや軍事に使われることもありますが、ビジネスにも利用されています。
オシンテックが提供するのは、ビジネスで注目される市場(自社・競合・顧客)を対象としただけではなく、「非市場戦略」のためのインテリジェンスを重視しています。
オシンテックが考える非市場戦略は、ルール(法規制や社会規範)、環境、社会、技術について、広い範囲での関係性や、過去からの経緯など、水平・垂直に洞察し、未来を予測していくこと(RESET分析といいます)で行動を決め、メディアや政府、NGOや市民への働きかけを含む戦略的合意形成によって、企業活動を優位に導くことをいいます。
RuleWatcherは、非市場戦略に欠かせない情報を得るためのツールとして企業のみなさんにお役立ていただけます。今後、今まで以上に社会や環境問題の活動を行うNGOや、国連関係機関、そして各国の政策を知ることが重要になってくると予測しています。
オシンテックが考えるこれからの経営
●非市場領域を洞察し、経営に活かす「インテリジェンス経営」
いま事業活動の中心は、社会課題の解決に変わってきていきます。
ところが、社会課題解決を訴えている組織が必ずしも、課題そのものやその周辺状況をしっかりと把握できているとは言い難いのが現状です。あらゆる環境課題や社会課題は複雑に絡み合っており、部分の解決が他の問題を引き起こすこともしばしばです。また、課題の多くが国境線に無関係な人類全体に関係するものであることから、他国で作られたルールや遠く離れた地での産業動向・新技術が、取り組むべき課題に大きく影響してくることもあります。
こうしたルールなどの越境するダイナミズムがどう経営環境に影響を及ぼすか洞察し、先手を打つ経営をオシンテックは「インテリジェンス経営/インテリジェンスマネージメント」と呼んでいます。
課題そのものとその周辺を、よりメタな視点で把握し、そのダイナミズムを知ることで採用するべきでない技術や素材、組むべきでないビジネスパートナー、リソースを配分すべき分野が掴めるのです。
私たちに不足しているのは情報よりもむしろ、「情報を読み解く力(インテリジェンス)」なのです。
●ルールが民主化される時代に
本来私たちの暮らしをよくするために設計されたはずの「ルール」。しかし、そんな本来の目的とは外れて、私たちを縛り、どこか一部の人が得をするために設けられたもの、という印象を持つ人が圧倒的なのではないでしょうか。
環境も人権も、世界には、解決の難しい問題が山積しています。ルールはこの問題に立ち向かっていく「武器」でもあるのです。より持続可能な活動に投資を向け、配慮のない技術に制限をかけ、課題を解決するためのイノベーションを促進し、草の根の活動に資金を提供する。これらはすべてルールによって成り立ちます。
だからこそ、「声の大きい誰か」ではなく、多くの人がこのルールづくりに参加する必要がある。もしも遠くの国で議論され始めたルールを手に取れるようになれば、自分たちの国のルールのヒントにすることができる。オシンテックは、そんな環境を作るためにRuleWatcherを日々進化させていきます。
世界のルールをみんなの手で。これが私たちの目指す未来です。
※ インテリジェンスマネージメントはオシンテックの登録商標です